わかってたけどわかってなかったよ!
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ - わたしが帰る場所
その夜、夢を見た。
道を歩いていく。長い長い、先が見えない平坦な道をぽてぽてと歩いていく夢だ。北極星みたいに光っている星があって、わたしはそれを目指して歩いているのだ。
最初は一人だった。そこに家族が増えて、ルッツが増えて、ベンノやマルクも増えて、どんどんにぎやかになっていく。
ルッツに背負ってもらったり、父さんに肩車してもらったり、ベンノやマルクに抱き上げられたりして、足の遅いわたしも皆と一緒に歩いていた。皆笑顔でくだらない話をして、笑っている。
途中でフランやギルが増えて、神官長もいつの間にかいた。その頃には、足元に少し草が生えていた。踏んで歩けて柔らかい程度の草だ。家族やルッツと代わる代わる手を繋いでいるけれど、どんどんと草が伸びてきて、歩きにくくなってくる。
邪魔な草だな、と唇を尖らせながら足元を見たら、いつのまにか家族やルッツ達と道が分かれていた。
それでも、歩いていく方向は同じだし、一緒にお話しながら歩いていけるので、わたしは変わらず星を目指して、歩いていく。
……ちょっと遠くなりすぎだよ。
まだ手は繋いでいるけれど、少しずつ、少しずつ距離が離れ、皆の歩くスピードがどんどんと速くなっていく。草に足を取られそうになりながら、わたしは必死に足を動かす。
……待って。待って。置いていかないで!
歩けば歩くほど道が離れていく。皆が笑顔で楽しそうなのに、わたしが遅れていることに気付いてくれない。いつの間にか手も離れていて、わたしは一人になっていた。
……父さん、母さん、トゥーリ、待って! ルッツ、ルッツ、置いていかないでよ!
自分の背丈ほどになった草を掻き分けて、皆を探して泣きながら道を進んでいるところで、誰かが「姫様」とわたしを呼んだ。
最近あまりツイッター等に出現してないのは、ずっとこの本好きの下剋上を読んでいたからなのでした。
いや……おもしろいのです!
睡眠時間を確実に削れるほどですね。
とてもしんどいですが僕は幸せです。
で、最近読んでたところがほんとに泣けるお話で。
家族や親しい人達との別れを示唆するシーンなのですが、こう、物理的には別れはしないんだけどねぇ……。
この辺の話を読んでいて僕はマブラヴの冥夜と悠陽の関係についてようやく理解が出来たように思えます。
いや、別に理解するだけなら出来るのよ?
ただこう、実感を持って感じられてなかったんだね。
悠陽が冥夜に渡した人形、あれがどれほどの意味を有するものか、全くわかっていなかったね!
本当に細い繋がりではあるんだけど、決して切れてしまわないよう、その証なんだよ!
まあこの辺の話は言葉で理解できる部分ではないので、なんらかのきっかけで同じように実感できた!という人がいたら、僕はちょっと嬉しいかもです。